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          3. 歴史みち「赤山通り」         

        (1) お地蔵さんとお薬師さん

        「赤山通り」は江戸時代、関東郡代があった川口市赤山に通じていたから、この名が付いている。「赤山街道」ともいわれる。
        前述したが、本町通りの蔵造り、松本家は赤山通りとの十字路にある。ここから東西に延びてる道が赤山通りだ。東に歩いて
        行くとゆるい下り坂になり、すぐに左手にお地蔵様が見えてくる。大小二体の石造地蔵菩薩立像と甲子塔、道しるべがある。
        左の大きいお地蔵様がさいたま市文化財の「赤山通りの石造地蔵菩薩立像」だ。お堂の屋根が低すぎて、お顔がよく見えない
        のは残念だ。
        石造物4体 地蔵菩薩(大) 地蔵菩薩(大)

        甲子塔の右側面(道路側)は「南 浦和一里」と読める。道しるべも兼ねていたのだろう。
        地蔵菩薩(小) 甲子塔 甲子塔右側面

        赤山通りに戻ると薬師如来の看板がある。矢印どおり進むと稲荷大明神の向こうにお堂と石仏が二体。
        赤山通り 稲荷大明神 石仏二体と堂宇

        お堂の中に仏様は見えなかった。石仏は左が大日如来で右は阿弥陀如来だろうか。年代はわからない。  
        堂宇 左の石仏 右の石仏 

        (2) 赤山橋の石橋供養塔

        前述の文政年間(1818〜1830)与野町並絵図を見ると、本町通りの右から4分の1あたりから下に延びる道がある。今の地図
        に本町通りと赤山通りを黒くするとこのようになる。
         本町通りと赤山通りが黒

        文政年間絵図の下に延びる道は赤山通りだと思われる。絵図には川が描かれており、本町通りから下りてきた道は橋を渡っ
        て二又に分かれていく。この橋は赤山橋だと思われる。
        赤山通りの下り坂を下りた所に赤山橋は架かっている。下を流れるのは霧敷川だ。
        ここに享保十一年(1726)の石橋供養塔が建っている。
        赤山橋と霧敷川 石橋供養塔
        石橋供養塔 石橋供養塔 背面

        私は平成元年にもここを訪れて正面と背面の写真を撮った。
        平成元年撮影 石橋供養塔 平成元年撮影 石橋供養塔 背面        

        (3) 高谷橋の石橋供養塔

        赤山橋をすぎて中央通りを渡ると上り坂になる。坂の名前は「台の坂」。再び下り坂になって国道17号線と交差する。17号線の
        先から道幅が狭くなる。
        赤山通り 赤山通り 赤山通り

        国道17号線を越えると二又に分かれる。左が赤山通りで小さな橋が架かっている。
        赤山通り 赤山通り 赤山通り

        この橋は前述のハンドブックによれば高谷橋という。下を流れるのは高沼用水だ。
        二又を右に行くと与野東中学校の正門に向かう。ここの橋から高谷橋と高沼用水を眺める。目を右に向けるとそこに石橋供養
        塔が見える。年代は「宝暦六丙子年」(1756)とはっきり読み取れる。石橋供養塔の傍らには案内書が建ててある。
        高谷橋と高沼用水 右に石橋供養塔 石橋供養塔
        石橋供養塔 石橋供養塔 石橋供養塔        

        橋の名前を確認しようと思ったが、欄干らしき物がない。赤山通りをさらに進むと、中学校に沿って右に曲がる道と真っすぐ行く
        道に分かれる。赤山通りはどちらだろうか。昔の道で、直角に曲がるとは考えにくい。おそらく真っすぐの道が赤山通りだろう。
赤山通り そうだったとしてもその先はさいたま新都心になって結局は途
切れてしまう。
この先赤山通りが現れるのは、JR与野駅東口の中山道から
入っていく赤山通り商店会の道になる。
「赤山通りを歩く」はここでひとまず終わりだ。

左折して新都心の方に歩いていくと、意外にもこんなところに
高谷橋の欄干があった。
高谷橋はさっきの与野東中学校の前、石橋供養塔があったと
ころではなかったか。
高沼用水は新都心の方から流れてきて、ここで暗渠になって
下落合小学校の下を斜めに横切ってさきほどの与野東中学
校の前に出ていく。流れが地下に入って出てくるまでを高谷
橋と考えればいいということだろうか。
地図の上に暗渠部分を水色で示してみた。川幅に比べ、ずい
ぶん長い橋ということになる。
       高谷橋 高谷橋 高沼用水暗渠

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